システム情報学

学生・修了生の声

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ネオ・サイバネティクスを探求する本専攻では、その横断的性格から、学内・学外を問わず様々な分野から幅広く学生を募集しています。実際、物理、電気、機械、数理、生命など様々な大学・学科から多くの学生が入学し、多様な環境の中でお互いに刺激をしあい、有意義な大学院生活を送っています。

生命・情報の両分野を統合する新しい試みに自分も関われる
 岡田 憲司
(GTE(旧リヴィールラボラトリ); 東京薬科大学 生命科学部 分子生命科学科卒)
岡田 憲司  僕は高校の時から生命科学と情報科学の両方に興味を持っており、悩んだ末に生命科学の道を選びました。学部時代に受けた講義はとても興味深いものだったのですが、従来の生命の理論には定量的な議論に欠ける部分があり、そのため数学の好きな僕としてはどこか物足りないとも感じていました。そんな中でバイオインフォマティクスと呼ばれる生命・情報の両分野を統合する新しい試みが注目されていると言う話を聞き、ぜひ自分もそれに関わりたいと思うようになりました。
 そのような研究を行うためには情報科学についての基礎を固めておく必要があるので情報系の大学院への進学を考えたのですが、一方で今まで自分が専門としていたのと違う分野へ進学することには不安もありました。しかし、最先端の設備を持って幅広い研究を行っており、新しいことにも果敢にチャレンジしている東京大学大学院情報理工学研究科システム情報学専攻はとても魅力的な存在でした。さらに僕は特に「生命をシステムとして統合的に理解する」と言うアプローチに強く興味を持っていたので、システム情報学専攻は僕にとって正に打って付けの場所だと思い、一念発起してここへの進学を決意しました。今ではやはりここに来て本当に良かったと感じています。

ここではモチベーションの高い実に様々な個性をもつ人々に出会える
 倉橋 裕一
(キャノン株式会社; 早稲田大学 理工学部 応用物理学科卒)
倉橋 裕一  この4月から新たなキャンパスでの学生生活が始まった。大学院に進学するにあたり、それまでの慣れ親しんだ環境から離れることに対しては不安も大きかった。同じ応用物理学系の専攻であったとは言え、他大学の出身でうまく輪の中に入っていけるのかどうか。
 しかし、そんな心配は無用だった。入学試験では東大生以外にも広く門戸を開いているのが感じられた。そのためもあり、今の研究室は東大以外の出身者も多い。ここでは出身大学がバラバラでも、それが普通なようだった。そして、ここで出会った人たちは実に様々な個性を持っている。学生のモチベーションも高く、学生同士や教授とも熱い議論が交わされることがしばしば。いろんな人がいるから、普通の会話をしているだけでもすごく刺激になる。こんなことは大学院でここを選ばなければ味わえなかったかもしれない。そう思ったとき、ここへの進学は自分を成長させるために選ぶべくして選んだ道なのだと確信した。
毎日、知的好奇心をかきたてられることを実感しています
 板井 裕人
(株式会社セルクロス; 法政大学 工学部 システム制御工学科卒)
板井 裕人  私が、システム情報学専攻に入学して早一年が経過しました。この専攻を志望した理由の一つに、研究者になるためには多くの専門知識と経験が必須ですから、もっと多くのことを学び、広い視野を持った人になりたいと思ったことが挙げられます。実際入学してみて、日々の生活や講義の中から多くの刺激を受け、毎日知的好奇心がかきたてられることを実感しています。
 現在私は生体特徴、特に顔を利用した個人認証の研究を行っています。米国での同時多発テロ以来、セキュリティへの関心は高まっており、私たちの生活には不可欠なものとなっています。生体特徴を認証に利用することは、パスワードなどとは違い、忘れたり盗まれたりせず、更にその中でも顔を用いた認証は、普段私たちが普段自然に行っていることなので心理的抵抗が少ないという利点があります。このことから、顔を利用した認証の実用化には社会的に非常に関心が持たれています。この認証法は実用化する上で多くの問題を抱えていますが、将来の認証の標準になると考えられるものなので、その一助となるような結果を示したと思います。
システム論的な視点で量子力学の研究を行う
 山本 直樹
(オーストラリア国立大学 研究員; 東京大学 工学部 計数工学科(数理工学コース)卒)
山本 直樹  私は量子力学で記述されるシステム(量子系)の制御理論についての研究を行っています。これは、量子系はどれくらい操作が可能であるか、量子系にとって良い制御とは何か、といったシステム論的な視点で量子力学の研究を行うものです。一方、理論物理学においては、量子力学の研究とは「自然はどのように構成されているか?」という視点から行われるものです。この視点の違いは、システム情報学とは何であるかという、答えようのない、しかし重要な問いに対する一つの例解になっているのではないかと考えます。
 話が前後しますが、私はこのような研究をしようと思ってシステム情報学専攻に進学したわけではありません。このパンフレットを読んでいる皆さんと同じと思いますが、専攻がカバーするあまりに広大で新しい研究領域に、当惑しながらも非常に魅力を感じていた、というのが進学前の正直な感想です。そして進学後に、各研究領域の最前線で活躍する多くの人たちの影響を受けて、上述した研究を行うようになったのですが、これは自分に限った話ではありません。院生は皆、最高レベルの環境(教員、設備など)が与えられ、その上で自由な発想で研究を行っています。システム情報学専攻は、広範で魅力的な研究対象と、自由で充実した研究環境を提供する専攻であると言えるでしょう。
確固たる基礎技術と新しい分野への取り組みのバランスがとれている
 武田 晴登
(ソニー株式会社; 慶応義塾大学 理工学部 物理学科卒)
武田 晴登  現在、システム情報学の博士課程に在籍しています。音楽と数学が好きだったので、大学院進学について迷っているときに音楽情報処理を行う研究室の案内を見て、「これだ!」と思って現在所属している研究室への進学を決めました。慶應義塾大学で物理学を学んだ後、システム情報学専攻の修士課程の1期生として入学しましたが、東大の工学部計数工学科以外の所属の出身であることや、学部のときと専攻が異なることで戸惑うことがなかったわけではありません。プログラミングや確率モデルなど私にとって初めて出会うものもありましたが、先生や友人に助けられ新しい知識を身に着け、研究室の環境に慣れることができました。充実した研究室の設備があり、頻繁に催される興味深い講演会があり、そして刺戟に満ちた研究室での議論があり、修士課程での学生生活は充実したしたものになりました。
 システム情報学専攻には、長年培ってきた伝統をもつ研究室だけでなく、新たに立ち上げられた研究室もあります。そのため、新旧のバランスの取れた活気に満ちた学科になっていると思います。私は新しく立ち上げられた研究室で、新しい研究分野である音楽の研究に取り組むという貴重な体験をさせて頂きましたが、このような果敢な挑戦を行えるのも、確固たる基礎技術を持ち、挑戦する気概を持つこの学科ならではなのかもしれません。システム情報学専攻との出合いは偶然でしたが、私は今いる研究室と専攻に出合えて幸せだったと思います。
一年間を振り返ると、改めて自由なところだと感じます
 平林 太郎
(三菱重工業株式会社; 東京工業大学 工学部 制御システム工学科卒)
岡田 憲司  東工大の制御システム工学科を卒業しシステム情報学専攻に入学して一年が経ちました。この一年間を振り返ると、改めてシステム情報学専攻は自由なところだと感じます。まず、基本的に時間的拘束の少ない専攻なので、研究は自分のペースで行うことができ、空いた時間は皆でスポーツをしたり、遊びに行ったりしていて、とても充実した時間を送っています。
 私の研究テーマは「走行ロボットの制御」です。ただ単にロボットを作って走らせるのではなく、「走る」ことがどのようなメカニズムで実現できるかをシステム論的に解明し、それに基づいて走行を実現しようというアプローチで研究を進めています。システム情報学専攻では多くの興味深い研究が行われており、この専攻の同期の友達と話をしていると色々な分野の話を聞くことができるので、自分の研究以外の多くの事にも関心を持つことができ、またとてもよい刺激になっています。このような幅広い研究分野と様々な経歴を持つ良い仲間が身近にいる環境の中で、本当に自分がやりたいことを形にしていくよう頑張りたいと思っています。
ISTyくん