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2021/12/20

【受賞】第38回井上研究奨励賞--黒木祐子助教--

コンピュータ科学専攻の黒木祐子助教が第38回井上研究奨励賞を受賞しました。

井上研究奨励賞(Inoue Research Award for Young Scientists)は、公益財団法人井上科学振興財団が1984年に設立した賞で、自然科学の分野で過去3年間に博士の学位を取得した37歳未満の優れた博士論文を提出した研究者を対象とし、第38回となる今回は40名の研究者が受賞者となりました。

黒木助教の受賞は「限られた観測に基づく確率的組合せバンディットの研究」と題する博士論文に対するものです。バンディット問題とは、最適な意思決定を目指す逐次的学習問題の一つであり、その解法は、推薦システム、ネット広告表示の最適化、薬の治験など、様々な重要課題に応用されています。更に高度なシステムや実応用の多くの場面では、意思決定の行動候補が「組合せ的に」特徴付けられています。例えば推薦システムにおける類似商品の集合、通信ネットワークにおける接続形態、道路ネットワークにおける経路などの最適化といった、組合せ的な意思決定を含むバンディット問題は、「組合せバンディット」と呼ばれており、近年注目を集めている研究課題です。
対象となった学位論文では、この組合せバンディット問題に対して、限られた観測に基づく新たな逐次的意思決定モデルの提案とそのアルゴリズム基盤の確立を行っています。黒木助教は確率論・統計学的なアプローチと数理最適化理論を融合させることにより、この難問に対して初めて実用的な解とその理論保証を与えました。

受賞を受けて黒木助教は「今回受賞対象となりました博士論文では、限られた情報に基づく統計的機械学習の理論構築に取り組み、オンライン意思決定問題の一つであるバンディット問題を対象に、数理最適化理論および統計学的観点の両側面からの解決法の提案と理論解明を行いました。ご指導いただきました杉山将教授、審査員の先生方をはじめ、研究室の皆様、共同研究者の皆様、および研究生活を支えてくださった全ての方に、この場を借りて深く感謝申し上げます。」とコメントを寄せています。

第38回井上研究奨励賞の贈呈式は、井上学術賞、井上リサーチアウォードと共に、2022年2月4日にオンラインで開催されます。

詳細は、公益財団法人井上科学振興財団ウェブサイトをご覧ください。

コンピュータ科学専攻黒木祐子助教

黒木祐子助教

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