ニュース

2026/03/24

[開催レポート]中高生向けイベント「8大学同時共同開催 情報学 for all by all」

国立8大学が主催する中高生向けイベント「『情報学』ってなんだろう?あなたと私をつなぐ『情報学』の力を知りに行こう!8大学同時共同開催 情報学 for all by all」が、2026年3月15日(日)に開催されました。会場の東京大学武田ホールには100名以上の参加者が集まり、講演やデモ展示などを楽しみました。

8大学がオンラインでつながり情報学を語る

「情報学 for all by all」は国立大学法人8大学(北海道大学・東北大学・東京大学・東京科学大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・九州大学)の情報系研究科が連携し、中高校生に情報学の面白さや可能性、将来のキャリアパスなどを伝えるイベントで、今回で3年目を迎えます。

第1部は、8大学がオンラインでつながるパネルディスカッションです。各大学の教員、大学院生がパネリストとなり、参加者からの質問をテーマに意見を交わしました。東京大学からは当研究科知能機械情報学専攻の二瓶美里教授が登壇し、自身の経験から福祉領域に高い関心を持ち、その思いが現在の人の生活を支える情報技術の研究につながっていることなどを話しました。また、大学院生からは、アルバイトやサークルと研究の両立などについても語られ、研究の深い話と学生生活のどちらもイメージできる時間となりました。

forallbyall-1st2.jpg

8大学がオンラインでつながったパネルディスカッション

forallbyall-talk1.jpg

東京大学大学院情報理工学系研究科二瓶美里教授

中高生でにぎわった東京大学会場プログラム

第2部からは、各大学の現地開催プログラムです。東京大学会場では、ホールでの講演とパネルディスカッションの一方で、デモ展示コーナーを開設し、参加者は興味のある側に自由に移動しながら、情報学のさまざまな姿に触れました。

forallbyall-2nd.jpg

講演とデモ展示の2本立てで多くの中高生と保護者が楽しんだ

講演では、当研究科システム情報学専攻の三河祐梨助教が「わたしたちの未来をつくる情報学」をテーマに、自身が子どもの頃から興味を持ってきたことや、専門とするバーチャルリアリティ(VR)の研究に至った経緯などについて話しました。また、「情報学というのは、世界を見るルーペのようなもの」と表現し、情報学が世界の事象をデータとして再利用できる形にして、コンピュータで情報処理を行い、世界をより深く見ようとする技術であることを伝えました。

forallbyall-talk2.jpg

東京大学大学院情報理工学系研究科 三河祐梨助教

もう1つの講演では、当研究科出身で富士通株式会社 富士通研究所先端技術開発本部の高木紀子氏が「情報学に進むと広がる未来~社会を支える情報学とプロセッサ開発の仕事」をテーマに、プロセッサの役割についてわかりやすく説明し、自身の進路選択につながった出来事や、企業で専門性の高い仕事に取り組む日常の様子などについて話しました。会場からは将来プロセッサの開発に携わりたいという参加者からの質問もあり、スーパーコンピュータのプロセッサを開発している高木氏に直接アドバイスをもらえる貴重な機会となりました。

forallbyall-talk3.jpg

富士通株式会社 富士通研究所先端技術開発本部 高木紀子氏

三河助教、高木氏共に、日々子育てをしながら研究や仕事をこなす日常についても触れ、参加者が将来のイメージを持つ助けになりました。

forallbyall-qa.jpg

参加者からの質問も活発(左)。左より、司会進行の東京大学大学院情報理工学系研究科宮尾祐介教授、三河助教(右)

保護者を主な対象としたパネルディスカッションでは、モデレーターの当研究科知能機械情報学専攻の鳴海拓志准教授が情報学の進路選択やAI時代に求められる力などのテーマを投げかけ、パネリストの二瓶教授、三河助教、高木氏が様々な視点から意見を交わしました。

forallbyall-peneldiscussion.jpg

左より、パネルディスカッションモデレーターの鳴海拓志准教授、二瓶教授、三河助教、高木氏

体験とわかりやすい説明が好評のデモ展示

デモ展示エリアでは、当研究科の各専攻などから8つのデモ展示が行われ、ロボットやVR、アプリなど、多様な研究の成果が披露されました。それぞれの技術的なしくみや背景にある社会課題とのつながりなどについて中高生にわかるていねいな説明がされ、どの展示も多くの参加者でにぎわっていました。

forallbyall-demo1.jpg

技術的なしくみや開発の意図などを中高生にわかりやすく説明

forallbyall-demo2.jpg

アバターが操作者に与える影響をVRで体験(左)。プロペラの推力で進む方向を直感的に伝えるロボット(右)

forallbyall-demo4.jpg

ロボットの動きを見ながら熱心に話を聞く参加者

forallbyall-demo3.jpg

複数モニタを使用して立体視を実現する三河助教の展示。写真右は立体視が成立しない黒い背景のデモ時

ほかにも大学院生による座談コーナー、ジェンダーに関する展示が設けられ、熱心に大学院生と話をしたり、展示を読み込んだりする参加者の姿がありました。

forallbyall-corner.jpg

大学院生による座談コーナーには当研究科マスコットのISTyくんバルーンが登場(左)。ジェンダーに関する展示では、理系選択者に女性が少ない課題を取り上げた(右)

最後に当研究科研究科長の中村宏教授が挨拶し、「情報学と関係ない分野というのはなく、どの分野とも密接につながっています。情報学はこれからの世の中のいろいろな問題を見つけて解決できる学問です」と述べ、参加した中高生に向けて「熱意を持ってやりたいことを突き詰めてください」と呼びかけました。

forallbyall-closing.jpg

東京大学大学院情報理工学系研究科研究科長 中村宏教授

参加者からは「情報系の知識はなかったのですが、想像していたより講演の内容がとてもわかりやすく、展示も体験できたので身近に感じられました。作った理由を聞くと、今後こんなふうに社会に生かされていくんだということがわかり、すごいと感じました」(中学3年生)という声や、「情報学がとても幅広く、他の学問とけかけ合わせて広がるものだということがわかりました」(保護者)などの感想を聞くことができました。

forallbyall-istykun.jpg

アンケート回答で当研究科マスコットISTyくんのぬいぐるみをプレゼント

今後も当研究科では、イベント等を通じて、中高生の皆さんに情報学の面白さや可能性をお伝えしていきたいと思います。

ISTyくん