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2025/11/03

【受章】瑞宝中綬章(令和7年秋の叙勲)---井上博允名誉教授---

令和7年秋の叙勲で本学の井上博允名誉教授が瑞宝中綬章を受章しました。

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井上博允名誉教授

井上博允名誉教授は、1965年東京大学工学部産業機械工学科を卒業、1970年に同大学院工学系研究科博士課程を修了し、通商産業省工業技術院電子技術総合研究所研究官、マサチューセッツ工科大学人工知能研究所客員研究員を経て、1977年東京大学工学部助教授に就任しました。1984年には工学部教授、2001年からは新設された大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻の教授として多くの学生の指導と研究に貢献しました。本学退任後は、日本学術振興会監事や産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センター顧問などを歴任し、様々な立場でロボット技術の開発に寄与してきました。ロボティクスの分野を開拓し先導する研究開発は世界で評価され、これまでにも紫綬褒章(2008年)、フランスの国家功労勲章(2010年)、IEEE Robotics and Automation Award(2011年)、日本学士院賞(2016年)など多くの栄誉を受けています。

今回の叙勲について情報理工学系研究科知能機械情報学専攻長の葛岡英明教授と、創造情報学専攻の岡田慧教授よりお祝いの言葉が届いています。

東京大学大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻長
葛岡英明教授

このたびの瑞宝中綬章ご受章、誠におめでとうございます。専攻長としてお祝いの言葉を申し上げる機会を頂けますことを、大変光栄に存じます。

私は幸運にも学生時代に井上先生のご講義を受けることができました。ロボットやコンピュータに関する先端的な内容を、毎回わくわくしながら拝聴していたことを今でも鮮明に覚えております。大学院時代には、修士論文および博士論文の審査に際して、厳しくも的確なご指導を賜り、その折のご助言が、今の私の研究に対する姿勢の基礎となっております。また、本専攻におきましても、井上先生が築かれた教育・研究の理念や専攻運営の精神は、現在も受け継がれております。このように井上先生のご貢献は、今もなお本専攻の発展を支えております。

改めまして、このたびのご受章を心よりお喜び申し上げるとともに、今後ますますのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。

東京大学大学院情報理工学系研究科 創造情報学専攻
岡田慧教授

この度の井上博允先生の瑞宝中綬章ご受章、心よりお喜び申し上げます。
先生が創立された情報システム工学研究室(JSK)を代表してお祝いの言葉を述べさせていただけますこと、大変光栄に存じます。

大学院からJSK研究室に身を置き、先生のご指導を賜り、日々研究に励ませていただいたことを大変ありがたく思っております。とりわけ博士研究員として研究者の第一歩を踏み出した際に、先生が率いてこられたHRPプロジェクトの成果である等身大ヒューマノイドロボットを活用させていただけたことは、その後の私の大きな財産となりました。振り返れば当時は気づきませんでしたが、研究技術開発にとどまらず、透過的な研究プラットフォームの意義や、ロボットの社会実装・産業化の方向性を見据えた先生の構想に、今改めて深いご見識を感じております。

また、等身大ヒューマノイドロボットを初めて動かした実験の際、学生たちがロボットを囲み、誰もが笑顔でその行動を見守る中、先生が「これがいいんだよ」と喜んでくださったことは、私にとって大きな励みとなり、その後研究を続ける原動力となりました。

現在まさに、AIとロボットの統合やヒューマノイドの社会実装が大きな話題となり、先生が描かれた社会像が現実のものとなりつつあります。改めまして、このたびのご栄誉を心よりお慶び申し上げますとともに、今後ますますのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。

ISTyくん