東京大学大学院情報理工学系研究科の張 永博大学院生、井上 克馬助教、國吉 康夫教授(同大学次世代知能科学研究センター長兼任)、中嶋 浩平准教授(同大学次世代知能科学研究センター准教授兼任)、NTT株式会社との共同研究グループは、少ない計算資源で高い性能を実現する、新たな物理深層学習フレームワークを開発しました。

光のダイナミクスを利用した画像認識と学習の概念図
提案フレームワークは、過渡カオス、分岐点近傍で見られる特徴を活用することで、優れた認識性能と高い計算効率の両立を目指すものです。従来の深層ニューラルネットワークと比べて、性能を維持または向上させながら、計算量と学習可能なパラメータ数を最大約90%削減しました。
また、光と電気を組み合わせた実機実験でも、従来手法に匹敵する性能を達成し、本フレームワークが実際の物理システム上でも有効に機能する可能性を示しました。さらに、この考え方を現代的な深層学習モデルに組み込んだところ、認識性能を向上させつつ、必要な計算資源を約40%削減できることも確認しました。
これらの成果は、従来モデルで知られていた性能と計算量の関係を超える可能性を示すものであり、深層学習モデルの新しい設計指針につながると考えられます。本フレームワークは、さまざまな物理系にも応用できる可能性があり、省エネルギーで拡張性の高い次世代の物理知能計算システムの構築に貢献することが期待されます。
本研究成果は、英国時間11月5日付けで「Nature Computational Science」に掲載されました。
研究成果についての詳細は【情報理工_プレスリリース_20261105】をご覧下さい。
雑誌名:Nature Computational Science
題 名:Scalable physical deep learning using optical dynamics with state-skipping training and single-map architecture
著者名:Yongbo Zhang*, Mitsumasa Nakajima, Katsuma Inoue, Toshikazu Hashimoto, Yasuo Kuniyoshi, and Kohei Nakajima* (*:責任著者)
DOI:10.1038/s43588-026-01075-w
URL:https://www.nature.com/articles/s43588-026-01075-w

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