プレスリリース

2026/03/30

光の干渉で「被らない」選択~相談なしでも資源を上手に分ける新しい光情報処理~

東京大学大学院情報理工学系研究科の小中 康平 大学院生(博士課程)、レーム アンドレ 特任准教授、巳鼻 孝朋 助教、堀﨑 遼一 教授らによる研究グループは、早稲田大学 川西 哲也 教授が代表である学術変革領域研究(A)「光の極限性能を生かすフォトニックコンピューティングの創成」プロジェクトにおいて、量子光学を利用して、2人の利用者が限られた資源を取り合う状況で、互いに相談しなくても衝突を避けられる新しい手法を提案しました。さらに、この手法が有効に働くことを数値シミュレーションで確認しました。

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提案方式の概念図

本研究が対象とするのは、強化学習の一種である競合的多本腕バンディット問題(選択肢から最適なものを試行錯誤しながら学ぶ問題)です。従来の光学的な手法では、減衰器という光学装置に各利用者の選好性を埋め込んでいましたが、選択肢が増えるとシステムの効率が下がりやすく、性能も低下するという課題がありました。そこで研究グループは、減衰器を用いずに、光が“渦を巻くような性質”を持つときに現れる軌道角運動量に各利用者がどの選択肢をどのくらい選びたいかという情報を埋め込み、さらに量子干渉によって同じ選択肢を選ぶ確率を0にする方式を考案しました。今後、分散的で高速な資源配分が求められる通信技術などへの展開が期待されます。

この研究成果は、英国夏時間2026年3月30日午前10時に「npj Quantum Information」に掲載されました。

研究成果についての詳細は【情報理工_プレスリリース_20260330】をご覧下さい。

論文情報

雑誌名:npj Quantum Information
題 名:Scalable conflict-free bandit algorithm using a quantum optical setup
著者名:Kohei Konaka, André Röhm, Takatomo Mihana, Ryoichi Horisaki
DOI:10.1038/s41534-026-01201-6

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