プレスリリース

2026/02/26

光量子コンピュータの誤り耐性を理論的に証明
~一般的な環境ノイズを踏まえた新たな開発指針を提案~

理化学研究所(理研)量子コンピュータ研究センター量子計算理論研究チームの松浦孝弥特別研究員(科学技術振興機構(JST)さきがけ研究者)と東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻の山崎隼汰准教授(JSTさきがけ研究者)らの国際共同研究グループは、光を用いた量子コンピュータで「誤りに強い計算」が可能であることを理論的に示しました。
本研究成果は、大規模な量子コンピュータや量子ネットワークの実現に向けた光量子技術の今後の開発指針に対する貢献が期待されます。

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光振幅に生じたノイズを量子的な情報を壊さないよう検知し、元に戻す仕組み(誤り訂正)

今回、国際共同研究グループは、光の振幅に量子的なビットを保持する光連続量方式の量子計算に着目し、従来の理論の枠組みでは扱い切れなかった一般的なノイズの下でも、計算の正しさを保つ「誤り耐性量子計算」が可能であることを厳密に証明しました。この研究では、現実的な物理環境で起こり得る一般的ノイズに対しての誤り耐性が未知であった当該方式の問題点を克服するとともに、従来の誤り耐性の理論では考慮されていなかったエネルギー制御が本質的に重要であることも明らかにしました。
この成果により、日本が強みを持つとされる光量子技術を用いた量子コンピュータの実現に向け、今後の技術開発の方向性がより明確になることが期待されます。

この研究成果は、2026年2月26日に科学雑誌「Nature Communications」オンライン版に掲載されました。

研究成果についての詳細は【情報理工_プレスリリース_20260226】をご覧下さい。

論文情報

雑誌名:Nature Communications
題 名:Continuous-Variable Fault-Tolerant Quantum Computation under General Noise
著者名:Takaya Matsuura, Nicolas C. Menicucci, Hayata Yamasaki
DOI:10.1038/s41467-026-69036-5

ISTyくん