掃除や洗濯はお任せ―家事ロボット登場
失敗するとやり直す“賢さ”機構を搭載
東大IRT研究機構、10年内メドに市販へ

掃除や洗濯など家庭内の仕事をこなしてくれる家事支援ロボット 掃除や洗濯など家庭内の仕事を
こなしてくれる家事支援ロボット

 掃除や洗濯、食器の片付けなど、人間に代わって家事をこなすロボットが公開された。作業に失敗するとやり直す、賢さを備えているのが特徴で、人間の行動に一歩近づいた。単身世帯や高齢世帯の家事負担を減らすのに役立つ。10年以内の実用化を目指しており、量産化によって100万円程度になることが期待されている。

 この家事支援ロボットは、東京大学のIRT研究機構が開発した。ロボットの身長は155cm、体重130kg。写真のように車輪に胴体がついた形で、車輪で移動しながら、人間と同じように道具を使用したり、家具を操作することで、掃除や片付けなど日常的な作業をこなす。特徴は、頭部に設置した5台の視覚センサー、力覚センサーを利用して状態監視機能を働かせることで、想定どおりに作業が進まなかった場合、失敗したところを自分で認識し、やり直す。

 このほど、洗濯機のふたを開けて衣服を入れる動作や、テーブルの下を掃除する様子、トレイに載せた食器を台所に運ぶ姿などが公開された。衣類をつかんで持ち運ぼうとしたとき、誤って落としたシャツをセンサーで検知し、3本の指で器用につまみ上げて洗濯機に入れていた。また、テーブルの下を掃除する際も、椅子をどかして両手でモップがけをし、きれいになったら、椅子を元の位置に戻す様子が披露された。

 東大のIRT研究機構は、文部科学省の科学技術振興調整費「先端融合領域イノベーション創出拠点」として、東大を中核にトヨタ自動車、オリンパス、セガ、凸版印刷、富士通研究所、パナソニック、三菱重工業の7社が参加し、2006年度から10年計画で取り組んでいる大規模な産学連携プロジェクト。ITとRT(Robot Technology)技術を融合したIRT基盤によって、少子高齢社会と人間を支えるイノベーション創出を目標に掲げている。

ISTyくん