東京大学を3月31日をもって退職する土肥健純教授(知能機械情報学専攻)の最終講義が下記の日程で行われます。
日時:2011年3月5日(水)午後3:30〜5:30
場所:工学部2号館1階 213講義室
演題:「医療福祉工学の現状と未来」
※どなたでもご参加いただけます。
土肥教授は、人工臓器に端を発し一貫した研究テーマとして工学による医療・福祉分野の支援に尽力してきました。特に1986年より、手術支援ロボットや手術支援用3次元画像表示に基づく「コンピュータ外科」という新分野を開拓し、外科治療を中心とした医療の工学的支援を研究テーマに、国内外からも評価が高い研究成果を上げています。医療安全を十分に考慮した脳神経外科、腹部外科、整形外科、泌尿器外科および胎児外科用の医療ロボットの開発や、位置が正確な実三次元画像(Integral Videography)による治療支援システムの研究は著名な成果として高く評価されています。これらの成果物は、医療現場を見据えた機器開発の一貫したPhilosophyに基づき開発されており、単なる工学技術の医学応用とは異なる他の追随を許さない研究成果であるといえます。これらの研究成果に対して、科学技術長官賞をはじめ、多数の受賞を受けています。また、研究成果の社会への還元として、国産で初めて販売された医療用ロボットの生産にも寄与しています。
学会活動においては、日本コンピュータ外科学会と国際コンピュータ外科学会の創設に多大な貢献をしております。また両学会の他、日本生体医工学会、ライフサポート学会の会長も歴任し、更に日本臓器保存生物医学会の副理事長、日本生活支援工学会副会長も歴任されています。この学会活動に対して、国際コンピュータ外科学会と日本生体医工学会では名誉会員に、また、医用画像で国際的に最も権威あるMedical Imaging Computing and Computer Assisted Interventionの学会ではFellowに選ばれています。
一方、公的委員会においても長年にわたりNEDO(経済産業省管轄)や福祉医療機構(厚生労働省管轄)の福祉機器開発委員会の委員長も務めています。また、日本の科学技術の広報誌であるJapan Journal の編集委員も務めています。
本最終講義では、このようなご経歴の経験をもとに「医療福祉工学の現状と未来」について講義いただきます。
また、最終講義後は懇談会を開催します。詳しくは、http://www.atre.t.u-tokyo.ac.jp/jp/content/view/85 をご覧ください。
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