教育コース生 佐藤顕治
平成15年度は,11月に本プログラム教育コースの選抜試験を受験し,採用され, 1月から3ヶ月間活動した.主だった活動は,以下の通りである.
- 戦略ソフトウェア会議への出席,議論
- 戦略的ソフトウェアの開発
以下に順に各活動について報告する.
近年,ロボットはエンタテインメントロボットのなど人間生活環境へ進出しはじめ, 今後も一般環境下でのさらなる活躍が期待されている.
ロボットが一般に普及するに際して,より多くの人に簡単に使用できる操作インタフェースが必要であり, また,今日のコンピュータ産業・文化の隆盛においてインタフェースが重要な役割を果たしたのと同様に,
インタフェースの操作性の向上がロボットを広く普及させる力のひとつとなることができると考えられる.
本年度はロボットの新たな操作インタフェースの開発に向けて調査を行い, インタフェースのシステムや機能について提案を行った. 以下,教育コースミーティングにおける議論の流れに沿って進捗状況を述べる.
 |
 |
 |
戦略ソフトウェア教育コースミーティングにおける議論の流れ |
 |
第1回(11月10日):(発表資料)
現在までの研究など自己紹介を行い, 教育コースにおいて開発したいと考えるソフトウェアについて述べた. 近年,またこれからのロボットの普及とともに,
誰でも簡単にロボットを操作できるようなシステムが要求されるであろうこと, その中で筆者は特にインタフェースに注目し, 携帯ゲーム機を用いれば, 優れた操作インタフェースが実現できるのではないかと考えていることなどについて発表し,それに関する議論を行った.
ユーザが送る指令はどのようなレベル, 形式のものなのかという問題に意見が集中した.
第2回(12月1日):(発表資料)
2003 年12 月1 日のミーティングにおいて発表した進行状況をFig.3 に示す. HOAPの動かし方を調べ,実際にサンプル動作を実行させた.また,前回のミーティングにおける,
ハードウェアプラットフォームとして想定しているハードウェアがマイナーすぎるという指摘から, より一般的なロボットへの対応を優先して考えることなどを発表した.
議論では,操作と動作の対応の具体的なイメージを提示すべきであるなどの指摘を受けた.
第3回(12月22日):(発表資料)
操作と動作の対応のイメージについて説明し,HOAP を用いてシステムを構築するためにNueROMA を利用することを提案し,NueROMAに関する説明を行った(NueROMAはRNN言語を用いてロボットの動作を生成制御する開発環境であり,これがどのようなものか理解するために12月17日に行われた説明会に参加した).
発表後の議論では主に” ターゲットが定まっていない” という点に議論が集中し, これを最優先の課題とした.
第4回(1月26日):(発表資料)
ターゲットとして二足歩行ロボットの格闘競技ROBO-ONEに注目し,現状の調査のため,その週の週末に開催予定の第5 回大会を観戦しに行くという内容の発表を行った.
第5回(2月9日):(発表資料)
第5回ROBO-ONEのビデオを上映し,ROBO-ONEで使用されているインタフェースと新たに開発すべきインタフェースについての考察を述べた. 発表後の議論ではロボットの向きの変化に応じて視点を切り替えられるインタフェースを作ってはどうか,
ROBO-ONEに出場してはどうかという提案があった.
第6回(3月1日):(発表資料)
ROBO-ONEに一参加者として参加するよりも,新たにロボット競技会を開催してはどうかという指摘を受けてのことである. 大会を開催して,その後の戦略ソフトウェアとしての展開についての考慮が足りないという指摘があり,ロボット競技会を開催すべきなのか,ロボット競技会を開催する,または協議会に参加することの,戦略ソフトウェアにおける意義は何であるのかなどから考え直すことにした.
|