おはようございます。先ほど田浦さんからこのタイトルの話、つまりたくさんのプロジェクトが関連しているという話がございましたけれども、その中で21世紀COEの中の3つのうちの1つがこの同じような名前を持っているプロジェクトでございますので、少しその辺を御紹介させていただきたいと思います。
我々情報理工学系研究科は、3年ほど前にここの東京大学の工学系と理学系の情報の人たちが集まってできたものでございます。2年前に21世紀COEにアプライいたしまして、それで通ったということでございますが、「情報科学技術情報戦略コア」というタイトルで応募いたしました。そこでは、新しい21世紀の情報科学技術というのは何だろうというふうなことを皆でいろいろ考えまして、その中で特に中核となるものをやっていこうということでつくられたプロジェクトでございます。
我々は従来は情報科学と言いますと非常に狭い分野であったり、もしくは工学と言うと非常に広かったりしますけれども、そういうものを融合して将来の情報、科学技術の中核というものを考えていこうというプロジェクトでございます。
それで、21世紀COEのプロジェクトは3つあると申しましたけれども、3つのプロジェクトの1つは、層的に言って一番上の応用の方から申し上げますと、実世界情報システムプロジェクトというものがまずございます。それから大域分散ディペンダブル情報基盤、これでございますね。それからもう一つが超ロバストコンピューティングというプロジェクトがございます。これらを融合して、最終的な情報基盤というものを提案していこうということでございます。
実世界情報プロジェクトと申しますのは、単なる頭の中の情報ではない、世の中のいろいろなことは、手足を持つとか、動くとか、実際に世の中で役立っていくような情報技術、ロボットに代表されるような技術というものが1つでございますけれども、そういうものが実世界情報システムプロジェクトでございます。
もう一つがこの大域ディペンダブルでございますけれども、従来の情報技術と申しますとインターネット、コンピュータでございますが、インターネットは非常に発達してスピードが速い。また、無線が発達していろいろなところでも通信できる。これはいいのですけれども、皆様御存じのとおりウイルスなどということで、毎日のメールを見ますと半分以上がそれになっていたりして、これではとても安心して使えないということでございます。将来の情報基盤というのは、それぞれの個人の情報というのはしっかり守られると同時に、自分の情報が完全であるということは当然だと思いますし、秘密もきっちり守られ、それでいてコンピュータシステムがダウンなどしない、しっかりしているということが当たり前になってほしいと思うわけです。それは、目に見えないものかもしれません。しかし、裏側ではしっかりとそういうものを支えてくれるような技術であろうと思います。そういう基盤的な技術というものを開発していきたいというのが、この大域ディペンダブルな情報基盤の目的だろうと思います。この技術というのは、そういう意味で非常に深いものも含んでおりますし、さまざまなものを含んでおります。それを全部やるというわけにはとてもまいらないと思いますけれども、その中でも大学で特に必要になる中核的なところ、そういうものを考えながらやっていこうというのがこういう動きだろうと思います。
そこで、こういうタイトルでシンポジウムということでございますが、この中はそういうCOEだけではなくてほかの幾つかのプロジェクト、これも非常にお互いに似たようなプログラムでございますが、それが関連して協力して今日はこのシンポジウムが行われるということでございます。どうぞ一日、忙しい2月ではございますけれども、皆様に御議論いただきまして方向性なりが議論できるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
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