辻井潤一教授が「紫綬褒章」受章
テキストマイニングの国際的業績で

 情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻、情報学環・学際情報学府、理学部情報科学科の辻井潤一教授が紫綬褒章を受章されました。紫綬褒章は、学術・芸術・スポーツで著しい業績を上げた人を対象とした褒章です。辻井潤一教授は、長年、知能情報学の分野において、特に自然言語処理の研究で、機械翻訳における先駆的な業績ならびに深い言語解析や意味に基づくテキストマイニングの新たな手法の開発などで国際的に高く評価される研究成果を収められています。

 近年の顕著な成果としては、深い言語解析手法(構造・意味を取り扱う処理手法)とコーパス(分野別学習データ;量的側面を扱う機械学習による処理手法)に基づく、次世代テキストマイニング技術基盤の確立があります。本技術により、従来のテキストマイニング技術では不可能であった文章の意味を汲み取った高度な検索が可能となりました。
  辻井潤一教授は、本技術の応用例として、生命科学分野の知的な検索システムMEDIEを開発されています。特に生命科学分野においては、膨大な論文投稿と異なる研究分野間での知識融合が著しく、知的なテキストマイニングの需要が顕在化しておりました。MEDIEシステムにより、生命科学分野の膨大な論文から的確な情報を取り出すことが可能となっています。

 今回の受章は、長年にわたる辻井潤一教授の知能情報学の分野における優れた業績と科学技術に対する多大な貢献が高く評価されたものであるといえます。

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ISTyくん