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氏名
鴨志田 良和

戦略ソフトウェア創造に対する興味、考え方、応募にあたっての抱負
 戦略ソフトウェアとは、近い将来の私たちの生活の中で自然に使われている技術の基盤となるようなソフトウェアであると理解しています。従って、戦略ソフトウェアを創出するにあたっては、

1 明確なエンドユーザー像を持つこと
2 多くのソフトウェア構築の基盤となるものであること(あるいはそのような要素をソフトウェアが内包していること)

の2点を常に意識する必要があると思います。これからの戦略ソフトウェアを創出する人材に求められる資質で特に重要なのは、両者のバランスをいかにうまくとることができるかということではないでしょうか。前者に特化して、とりあえず今必要なソフトウェアを作ることだけをしてしまうと、出てきた問題それぞれに対するアドホックな解の集合を受動的に生産しているだけになり、戦略的とはいえません。また、後者に特化して、普遍性を求めすぎて現実の世界で使えないものを提案しても、それをソフトウェアとして具体化することは困難になりますし、解決したい問題を見失ってしまうこともあるかもしれません。

 現在私は分散して配置された多数の計算機を利用して耐故障的に並列計算を行うという研究を行っています。並列計算の計算効率を向上させることも非常に重要な課題ですが、一方で故障や他の利用者の出現などがあると、安定した動作と性能を確保するのが困難となり、そのためにエンドユーザーが自然に並列化の恩恵を受けるアプリケーションが少ないという現状があります。私は、大きな計算力を利用可能な並列処理を自然に普及させるために、デスクトップ上でわかりやすい操作を行うことで並列処理をコントロールできるようなソフトウェアを作ることで、エンドユーザーと並列計算との間の距離をもっと縮めることができないかと考えています。

 戦略ソフトウェアの創出には、アイデアを形にするという側面もあると思います。
 私は本プログラムに参加することで、上に述べたバランス感覚を常に意識しつつ、問題発見能力と幅広い知識、そして、情報技術を利用してできるかもしれないことと実現可能なことの間のギャップを埋めることができるソフトウェアの構築能力を身につけていきたいと思います。


略歴
1993年3月 宮城県仙台第一高等学校  卒業
1993年4月 東京大学教養学部理科一類 入学
1997年3月 東京大学理学部情報科学科 卒業
1997年4月 日本オラクル(株)    入社
2003年1月 日本オラクル(株)    退社
2003年4月 東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻修士課程入学(近山・田浦研究室)

現在の研究内容
「分散環境で論理式の充足可能性問題(SAT)を並列に解く研究」
  SATのような組み合わせ最適化問題を耐故障的に並列に解くことで、いままで取り組むことができなかった大規模な問題を解いたり、非常に長時間かかるような計算を行うソフトウェアにとって必要な耐故障性などの特性を調べています。
現在は並列にSATを解く際の通信量と仕事の量の関係を調べています。

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