コンピュータ科学専攻の狩野芳伸特任研究員と辻井潤一教授が米IBMの「IBM UIMA Innovation Award 2008」を受賞した。英マンチェスター大学の Annaniadou 教授との共同受賞。
対象となった研究は、テキスト・マイニングリソース(ツール・コーパス)の利用と相互接続を容易にするための研究。狩野研究員らは、英国国立テキストマイニングセンター(NaCTeM)および米コロラド大学との共同で U-Compare というプロジェクトを推進している。
U-Compare は、UIMA(Unstructured Information Management Architecture)を基盤につくられた統合自然言語処理環境で、UIMA に対応した任意のリソースを自在に組み合わせて実行したり、結果を比較して視覚的に表示したりすることができる。相互運用性を極力向上させることで、組み合わせたいリソースを画面上で選択するだけで実行処理を行うことを可能にしている。また、それぞれの研究機関が開発してきた言語処理リソースおよび外部の著名なリソースを UIMA 対応にした上で提供しており、現在世界最大の互換UIMAツールキットを配布している。システム本体も併せインターネット経由ですべて自動的にインストール・起動が行える。
UIMA Innovation Awards は、非構造化情報の解析性能の向上とコミュニティの発展を支援するため、世界中の優れた大学教員を対象に賞金を授与・表彰している。2006年に始まり、日本からの受賞は狩野研究員・辻井教授が初めて。
「2008 UIMA Award Recipients」のWebページ(英文)
U-Compare プロジェクトのWebページ(英文・日本語)
辻井研究室のWebページ
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