創造情報学専攻の笹田耕一講師は、情報処理推進機構(IPA)から第4回(2008年度)IPA賞(オープンソフトウェア部門)が贈られる。テキスト処理に優れた日本発のプログラミング言語「Ruby」を高速に実行する処理系「YARV」(Yet Another Ruby VM)の開発が評価された。5月27日、東京ドームシティ・プリズムホールで行われるIPAの総合展示会「IPAX 2008」の会場で授与される。
IPA賞は次代を切り開くIT技術などを実現したと認められる個人やグループを表彰するもので、今年で4回目。笹田講師はRuby開発コアメンバーの一人で、Rubyの高速化を目指して開発した高速処理系の「YARV」は、昨年12月にリリースされたRuby1.9.0に組み込まれている。このほか、日本Rubyの会、Ruby会議、Rubyist MagazineなどRubyのコミュニティ活動に積極的に参加するとともに、Rubyの普及・促進にも大きな影響を与えるなど、オープンソフトウェアに関わる若手研究者の模範とされる点が評価され、「オープンソフトウェア部門」の受賞者に選ばれた。
IPA賞の受賞にあたって、笹田講師は「Rubyに関する研究・開発活動がこのように評価されて大変光栄」と喜びを語り、「この賞に負けないように、これからも研究を行っていきたい」と抱負を述べた。
笹田講師は、2004年度にIPAが認定するソフトウェア開発で優れた才能を持つスーパークリエーターに選ばれ、2007年度の日本OSS(オープンソースソフトウェア)貢献者賞に次ぐ受賞となった。
フォーカス(笹田講師)
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