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 2009/10/01
米澤教授が「FIT2009船井業績賞」を受賞
並列オブジェクト指向技術の指導的役割で

 コンピュータ科学専攻の米澤明憲教授は、並列オブジェクト指向技術の先駆的理論と情報化社会への応用展開に指導的役割を果たしたことが評価され、FIT2009船井業績賞が贈られた。この並列オブジェクト指向技術については、昨年、オブジェクト指向計算の分野で多大な貢献をした研究者・実践者に贈られる国際的な賞「ダール・ニゴール賞」が日本はもとよりアジアの研究者で初めて授与されており、並列オブジェクト指向技術をソフトウェアシステム開発のメジャーな手法の1つとして育てたことが評価された。

米澤教授に贈られた
FIT2009船井業績賞の賞牌

 コンピュータソフトウェアにおいて、一般的なアプリケーションや、Web用アプリケーションソフトウェアを開発するための方法論やモデルは多数あるが、その中で、現在世界標準になっているのが「オブジェクト指向」。データとそのデータを使う手続き群をひとまとめにしたオブジェクト(部品の1つの形式)を組み合わせて、ソフトウェアを開発するのがオブジェクト指向ソフトウェア開発である。1980年代から革新的技術としてソフトウェアの生産現場で使われるようになり、産業界でオブジェクト指向をベースとするC++、Java、Rubyなどのプログラミング言語が広く使われている。

 オブジェクト指向は、@部品として独立性が高い(部品交換のとき、周りを変えずに済む。部品間のインタフェースが簡潔)、Aすでにつくった部品を再利用して、新しい部品をつくりやすい(プログラムの断片を使い回ししやすい)、Bオブジェクト形式を使って開発されたソフトウェアは、理解しやすく保守もしやすい―といったメリットがある。ソフトウェア開発において現在最も広く普及している技術で、今日のソフトウェアの大半がオブジェクト指向技術にもとづいたプログラミング言語、もしくは、それにもとづいた開発手法を用いて設計、作成されている。

 米澤教授は、多数のCPU(計算機)を使うことが想定されていなかった1970年代に、CPUを多数接続して同時に使用する並列・分散処理方式が次の時代の計算処理を担うと予見し、「並列オブジェクト」の概念を提唱した。これは「オブジェクトと仮想CPUを埋め込んだもの」で、何万ものCPUが互いに接続され、並列・分散計算を並列計算機で統一的かつ高速に行うという環境を想定してソフトウェアシステムを構築するのに有効なモデルとなった。この理論はスーパーコンピュータを動作させるプログラミング言語の基礎となり、現在では、遺伝子の構造予測、多体問題の解法、自然言語処理、分散オブジェクト、社会システムシミュレーションなどに活用されている。

 並列オブジェクト指向技術は情報化社会の重要な位置を占めてきており、先駆的理論の構築と応用展開に指導的役割を果たした米澤教授の業績が評価されて船井業績賞が贈られた。この賞は、情報技術分野で特別の業績などを挙げた研究者に船井情報科学振興財団が贈呈している。情報処理学会と電子情報通信学会情報・システムソサイエティ合同の会議「情報科学技術フォーラム(FIT)」の推進委員会が選考しているもので、第1回は2002年。今回で8回目。



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